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RSウイルス感染症とは?
症状・経過・登園の目安をわかりやすく解説します
どんな病気ですか?
RSウイルスは、2歳までにほとんどの子がかかる呼吸器感染症です。
生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子どもが感染します。
大人もかかりますが、乳児や高齢者では重症化しやすいため注意が必要です。
主な症状
めは風邪に似た症状ですが、乳児では呼吸が苦しくなることがあります。
- 鼻水、咳、発熱
- ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)
- 哺乳量の低下、顔色不良、無呼吸発作
特に乳児では、症状が急に悪化することがあるため注意深い観察が必要です。
流行の時期
例年は夏から秋にかけて多く見られますが、近年は春から初夏に流行することも増えています。
流行時期は年や地域によって異なるため、自治体の感染症情報などで最新の状況を確認することが大切です。
経過について
多くは1〜2週間で自然に回復します。
潜伏期間は2〜8日で、初めは鼻水や咳などかぜ症状から始まり、数日で呼吸が苦しくなることがあります。
乳児(特に1歳未満)では20〜30%が下気道炎(気管支炎・細気管支炎・肺炎)に進み、入院治療が必要になることもあります。
早産児や基礎疾患のある子は特に注意が必要です。
検査について
鼻やのどの分泌物を採取し、迅速検査を行います。
ただし原因が分かっても、治療内容は基本的に変わりません。
治療について
RSウイルスに特効薬はなく、治療は症状を和らげる「対症療法」が中心です。
- 水分補給
- 去痰薬や気管支拡張薬
- 鼻づまりが強いときは鼻吸引
- 重症例では酸素投与や入院が必要になることもあります
登園・登校の目安
法律で出席停止は定められていません。
熱や強い咳がなく、全身状態が良ければ登園・登校が可能です。
ただし、園や学校ごとの基準に従ってください。
ご家庭で気をつけること
- 咳や鼻水のある人は赤ちゃんとの接触を控える
- 抱っこの前に手洗いをする
- 部屋の換気や加湿で呼吸を楽にする
- 水分を少量ずつ与えて脱水を防ぐ
RSウイルスは感染力が強く、完全に予防することはできませんが、こうした工夫でリスクを減らすことができます。
注意が必要なとき
呼吸が苦しそう、顔色が悪い、哺乳ができないときにはすぐに受診してください。
赤ちゃんを守るためにできること
- 妊婦向けRSウイルスワクチン:妊娠24〜36週に1回接種すると、母体の抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、生後早期の重症化リスクを減らせることが期待されています。
- モノクローナル抗体製剤:
- 長期作用型(ニルセビマブ)は、流行期前に乳児へ1回投与する方法が検討されています。
- 従来型(パリビズマブ)はハイリスク児を対象に流行期に月1回投与されます。
対象や実施方法は自治体や時期によって異なるため、詳細は医師にご相談ください。
当院での対応について
当院では、RSウイルスを含む呼吸器感染症について、症状や年齢に応じた丁寧な診察とケアを行っています。
軽い風邪のような症状から呼吸が苦しそうなケースまで幅広く対応し、ご家族と一緒に経過を見守りながら、安心して治療を受けていただけるよう努めてまいります。
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断・治療は症状や検査結果を踏まえて医師が個別に判断します。