インタビュー

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小児科の医師は天職だと思っています。お子さまが元気になる姿を見ることがやりがいです。

お子さまのこころと体のすこやかな成長を手助けして、元気な姿を見ることが何よりのやりがいです。患者さまのお声をお聞かせいただきながら、少しでも利用しやすく、患者さまの支えになることを願って、地域に合った医療のかたちを追い求めてきました。

小児科を専門にされたきっかけやエピソードを教えてください。

同じく小児科の医師を務めていた父の影響が大きいですね。幼い頃から父の医院に通う子どもたちが元気になっていく姿を見て育ちました。子どもたちが本来持っている「病気に打ち克つ力」を手助けするという小児科医療の本質を、父から教わったのだと思います。

私も小児科の医師となって、この仕事が天職だと思うようになりました。子どもの病気は悪くなるのも早いですが、良くなるのも早いものです。言葉で伝わらなくても、きっちりと診察することで症状からわかる情報も多く、医師が努力して丁寧に診療するほど早期改善につながりやすいと言えます。

お薬を最小限に使い、親御さまに納得いただきながら、改善できる病気はしっかりと治療すると同時に、大きな病気を見逃さないよう細心の注意を払っています。

予防接種のスケジュール管理とは具体的にどのようなことを行っていますか?

看護師から、予防接種を受けるスケジュール、心配な副反応とそうでないもの、費用、接種後の注意事項などをご説明しています。一般診療の時間とは別に、相談専用の枠をご予約いただいて約15分間行います。

数年前に比べて予防接種の種類が増えたことで、ご相談も多く寄せられるようになりました。「同時にいくつ打っていい?」「任意接種との違いは?」「順番はこれでいいか?」といった一人では判断しにくいことを、落ち着いてご質問いただくためにこのような時間を設けたんです。

その他の育児に関する質問は診察時だけでなく、予防接種の際にいただくことも多いです。「しっしんができた」「夜なきが続いている」「飛行機に乗せても大丈夫か」「部屋の温度はどのくらいか」など、「わざわざ受診するほどでもないけど心配」といった悩みを何でもお話しいただいています。

予約システムを早い段階から導入されていますが、導入されたきっかけを教えてください。

待ち時間を短縮することが大きな目的です。いまは予約制が浸透していますが、導入した頃はあまり一般的ではありませんでした。とくに小児科の場合は「昨晩から熱が出た」といった急性の病気が多いですから、その都度、直接医療機関へ行くのが普通でした。

しかし予約ができないことで開院前には医院の入り口に順番待ちの列ができることもあり、寒い冬の時期などはとくに申し訳ない思いでした。このようなご負担をなるべく軽減したいということで予約制を導入したんです。

当院のシステムは、順番待ちではなく時間枠を取る仕組みです。急病の患者さまが来られたときなどはどうしてもお待たせすることもあるのですが、全体的に見てスムーズな診療につながっていると思います。

診療体制について、スタッフが多いですがなぜでしょうか?

医師、看護師、事務のそれぞれが役割をしっかりと果たし、チームワークでより良い医療を目指そうと考えているからです。問診や検査をしてお薬を処方するのは医師、お薬の使用方法を丁寧に説明するのは看護師というように、仕事の選択と分担をしながら連携して進めています。これによってよりきめ細やかな医療を提供していきたいと考えています。

スタッフが十分にいることで、待合室で具合の悪いお子さまをいち早く気づかうこともできますし、親御さまからふと「この子の歩き方が気になっていて…」と診察時で聞けなかった悩みをスタッフにお話しいただくこともあります。頼って来てくださった患者さまに納得いただけるようチームでお応えしたいと思っております。

院外処方が多い中、なぜ院内処方にされたのでしょうか?

当院をはじめたころには院内処方が一般的だったんです。当院でもその流れで院内処方を続けています。

院外処方にすれば、当院の時間外でも近所の薬局へお薬を取りに行けるといったメリットがありますが、雨の日にきょうだいを抱っこしつつ病気のお子さまを薬局に連れて行くのは大変なことです。受付から薬の受け取りまで一貫して行うことが患者さまの利便性につながればと考えています。

心理カウンセリングはどのような方が対象で、どんなことをしていただけますか?

子育てに不安がある、発達が遅れ気味、不登校などの問題でお悩みのお子さまや保護者さまを対象としています。臨床心理士と院長がチームで心理カウンセリングや発達検査を行います。

臨床心理士は、こころの問題にかかわる専門家です。教育機関などで子ども専門に発達やこころの問題に取り組んできたスタッフがおひとり約1時間、お話をゆっくりとうかがいます。

当院を開院した頃と比べて、最近は個人の特性を社会が許容する範囲が狭くなっているように思います。それによってこころに関する問題も増えているため、時代の変化に合わせて当院でも新たにこの分野に取り組むようになりました。ささいなことでもお子さまのご様子に心配なことあれば遠慮なくご相談いただければと思います。